発達への理解
⑴理解することの大切さ
人間の発達には「順序性」「連続性」があります。
それを一つの物差しとして育児、保育に活用することができます。
しかし発達には個人差があります。
育ってきた環境、家庭、地域、社会、人間関係など多くのものに影響されます。
また一定の速度で発達するのではなく、停滞したり飛躍することもあります。
⑵発達と環境について
発達とは「遺伝」と「環境」との相互作用の結果であると言われています。
環境:物的環境(もの。おもちゃや遊具など)、人的環境(普段接する大人、友達など)
生涯発達と発達援助について
発達とは生まれてから大人になるまで、ではありません。
発達とは、生涯続くもの(成長、成熟、学習)誕生から死に至るまでの新進の変化を示します。
⑴胎児期
胎児期:母親の胎内で環境の影響を受け成長する。
20週から25週目で聴覚も発達してきます。胎内で指しゃぶりもはじめます。
⑵新生児期(生後4週まで)
パターン的な対象に対する注視や人の声とモノの音の聞き分けが可能。(高い声に反応しやすいです)
18から20時間睡眠
原始反射がみられます(吸てつやほほえ)
⑶乳児期
愛着理論:養育者を心の安全基地として、身の回りの環境を探索する。
内的ワーキングモデル:養育者との関係の中で形成される認知的枠組み
社会的参照:一歳前後で行動決定に迷うようなあいまいな状況で、大人の表情を手掛かりにして行動する。
⑷学童期から青年期
小学校低学年・中学年
・具体的操作気(具体的な事象、物事への論理的思考)
例としては比例する、並べる、量がかわらないことへの理解など
・善悪の判断はまだ大人が基準
小学校高学年
・形式的操作期(抽象的な事象や概念を理解する)
・他者との比較での自己理解、ギャングエイジと言われる閉鎖的な仲間集団と独自のルール
青年期前後(中学生)
・思春期に入り、自意識が芽生え、自己不一致(在りたい自分と現実の違い)に悩む。
性意識も高まる。
・大人よりも、仲間との関係を重要視し、反抗期を迎える。
青年期中期(高校生)
・自立と社会への参画と貢献への移行期。しかし、近年、大人への移行期間は長期化している。
発達への援助
⑴基本的生活習慣の獲とく
食事、睡眠、排せつ、清潔、衣服の着脱、運動など
⑵発達の課題に応じた援助や関わり
①子供の長所を見つける
できないことばかりに注目するのは子供も大人も大変さや無力感が募る
②無理にさせない
できないことは恥ずかしいことではない。心の傷につながる
③見過ごさない
養育者とともに、より注意深く見守り、専門機関ともつなげることが大事